家の排水管の流れが悪い、流れないといった症状が起こる場合があります。これには様々な原因があります。排水管が完全に詰まった状態になってしまってからでは対処がとても大変ですし、お金もかかります。
詰まりの予防のためにも、今回はその原因になるものについて5つほどにまとめていこうと思います。
排水不良の原因
目次
1:油脂類や洗剤 特に動物性の油
普段生活の中で、防ぎ難い汚れの原因の一つではないかと思います。食事をして洗い物をする以上、少なからず油脂類が排水口へ流れることがあります。
動物性油の凝固する温度は40℃以下です。そのため、排水管を流れていくうちに冷えて固まってしまいます。植物性油は0度以下と言われており、市販の洗剤と反応するため、エマルション物質という乳白色の物質になり、これも排水管の中で固まりやすいです。
こういったものが混ざり、排水の過程で排管内に徐々に溜まっていきます。管内に汚れが付着すると、そこにさらに汚れが蓄積しやすくなります。そして段々と排水管が狭くなり、流れが悪くなってきたり、詰まりを発生させたりします。
2:毛髪や皮脂 糸くずや洗濯洗剤
毛髪や糸くずは、お風呂場や洗濯排水・洗面排水の排水管で発生しやすい原因の一つです。排水によって流された毛髪や繊維は、排水管の角や曲がった部分などに引っ掛かりやすい他、ヌメリなどにもひっつきやすく、詰まりや異臭の原因となります。
シャンプーや石鹸カス、洗濯洗剤なども固まって排水管内壁に付着する場合があります。こういったものが蓄積すると、毛髪や繊維はそこに引っ付きやすく、汚れが溜まりやすくなります。
3:紙詰まりや尿石の付着
トイレでは紙の詰まりなどもありますが、尿石が蓄積することによって異臭が発生し、排水不良や詰まりを引き起こす可能性もあります。
こういった場合は尿石除去するか配管を交換しない限り根本的な改善はされないです。
ただし、これは男性用小便器に多い事例で、家庭の水洗トイレではトイレットペーパーや誤って異物を落とす事による詰まりが多いです。
4:排水管の勾配不良
排水管には一定の勾配(傾斜)が設けられていて、汚水が適切に流れていくようになっています。しかし、この傾斜の角度が不適切(勾配不良)だったり、逆(逆勾配)になってしまう場合があります。
原因は様々ですが、排管の経年による劣化、地震などの災害、車の重みや振動による地面への負荷の蓄積など何らかの力が加わって変形してしまう場合が多いです。 こういった勾配の不良は、適切な排水ができなくなったり、毛髪や汚れなどがスムーズに流れず、何度も詰まりを発生させたり異臭・ボコボコという異音を発生させたりと問題が発生します。
こういった場合はまずは調査が必要となります。
水平器による確認や目視確認の他、配管内の内視鏡調査した後、対処方法をご検討頂きます。
勾配不良にも下記図のような種類が御座います。
水の溜まっている箇所に必然的に汚れが溜まりますので問題が生じます。
1:排水管のたわみ、沈下などで排水が滞留した状態です。
2:施工不良や地盤沈下で逆勾配となったために起きる滞留です。
3:排水管が途中で折れたり何かの重みで破断したために起きた滞留です。
5:木の根の混入
お庭の植栽の木の根っこなどが排水管内に侵入して、排水経路を塞いでしまう例です
排水管のつなぎ目など、わずかな隙間があるところから侵入します。
排水管には一定の水が流れてくるため、根は急速に成長し、排水の流れを妨害して詰まりを引き起こします。
対策
1:木の根を詰まらせないためには、最も確実な方法は植栽を抜き、排水管や排水枡に影響のない場所に植え替えることです。伸びた木の根を切ったとしても、暫くすると再び根が伸び詰まりを発生させる恐れがあるためです。
2:排水管に木の根が侵入した場合は、基本的には排水管の交換工事をお勧めしますが、応急的な処置として超高圧の水流で根っ子を切断し対処する事も可能です。
3:排水ますに侵入した木の根を切断した後に侵入した隙間を埋める措置を施すと良いでしょう。
4:排水管は、公共ますから宅内側はお客様管理となり、宅内側の排水管に問題が発生した場合は、お客様負担により対応していただくことになります。